背景・経緯

建設業界では、近年、大手企業と中小企業での需要と供給のバランスが大きく異なっている。中小建設業者は、右肩上がりの需要にもかかわらず、実質的な仕事量の減少に直面している。この現象は、「ゆでガエル」に例えられる。詳細は建設通信新聞(新しいタブで開きます)で報じられている。

この現象の原因は、建築工事市場の「現在地」を示す「建築着工統計」にあり、2025年度の全建築物着工床面積は9年連続の減少となった。また、民間非居住建築物も着工床面積は振るわない。

さらに、国土交通省が公表している「建設工事施工統計調査」と、「建設資材・労働力調査」の「金額原単位(土木)」「面積原単位(建築)」を分析すると、中小企業の経営苦境が浮き彫りになる。

詳細・ポイント

東京都鉄筋業協同組合(東鉄協)の調査では、鉄筋工事の受注量・仕事量が少ない、いわゆる「閑散期の長期化」が浮き彫りとなった。具体的には、鉄筋工総数5000人超に対し、今年1月調査で「過剰」回答は418人。実に1割近くの職人の仕事がなかった。

また、技能実習生の増加は、中小建設業者の技能継承に影響を与えている。技能実習生は、一定期間で帰国することを前提とした制度のため、技能承継を想定していない。

業界への波及効果

この動きが建設業界全体にどう影響するか考察する。中小建設業者の実質的な仕事量の減少は、ゼネコンや設計事務所にも波及効果を及ぼす可能性がある。また、技能実習生の増加は、建設業界の将来の担い手確保に影響を与える。

実務者のアクション

実務者は、以下のアクションを取ることが必要である。

* 中小建設業者の経営状況を把握する

* スキル継承のための教育・訓練を実施する

* 仕事量の減少に対応するための経営戦略を立てる