背景・経緯

建設業のサプライチェーンは、原材料の仕入れから部材の加工、現場への運搬、専門工事会社による施工、品質確認までが一続きになっている。サプライチェーンと建設業の関係を整理した解説(新しいタブで開きます)では、材料の流れだけでなく工程と情報の流れまで含めて見ることが理解の出発点だと指摘されている。

この構造ゆえに、一点の遅延が全体を止めやすい。特定の機器が入らないだけで、その先の内装・試運転・検査がすべて後ろにずれる。

詳細・ポイント

近年問題になっているのが長納期品である。受変電設備、空調機器、特注建具などは、発注から納品まで数か月から1年を要することがある。着工後に発注していては間に合わない。

対策の基本は、拾い出しと積算を正確に行い早期発注につなげること、そして複数の協力会社・調達先との関係を維持しておくことである。加えて、資材の輸送状況や在庫をリアルタイムで把握し工程と連携させる仕組みも有効とされる。

業界への波及効果

長納期品の存在は、設計段階の意思決定を前倒しさせる。仕様確定の遅れが、そのまま工期の遅れになる関係が可視化されつつある。

一方で、早期発注は保管場所と資金負担を伴う。中小事業者にとっては、前倒し発注そのものが経営上の負担になる。

実務者のアクション

契約直後に、納期が3か月を超える品目を洗い出して工程表に載せる運用を勧めたい。これだけで、着工後に発覚する納期問題の大半は防げる。

代替品での成立可否を設計段階で確認しておくことも有効である。一品特注の仕様は、納期リスクを固定化する。