背景・経緯

本件はSUUMOジャーナル(新しいタブで開きます)で報じられている。

マンションでの騒音トラブルは、生活音や給湯器の「釜鳴り」などが原因で発生することが多い。国土交通省の「令和5年度(2023年度)マンション総合調査」によると、マンションでの居住者間の行為・マナーをめぐるトラブルは「生活音」が43.6%で最多となっている。日本音響研究所の鈴木創所長によると、マンション騒音に関するご相談は、一定の割合を占めており、特に2020年春以降のコロナ禍を契機にご依頼が増えている。

また、マンションの建築技術の向上で防音・遮音性能が増し、静かで快適な暮らしができるはずだったのが、転じて騒音ストレスにつながる皮肉なケースもある。鈴木所長は、近年建築されたマンションは、技術や資材の品質向上で外部の騒音が大きく軽減されるようになっただけに、相対的に内部で発生する音が気になる方が増えた側面もあり、の一部の人には、一度気になってしまった音に対して過敏になり、「その音を探してしまう」習性もあり、それが騒音ストレスの要因になる場合があります。

詳細・ポイント

鈴木所長によると、マンションの騒音には、伝わり方によって2つの種類がある。ひとつは「空気伝搬音」で、人の話し声やテレビの音声、音楽などで、空気を振動させて伝わるもの。もうひとつは「固体伝搬音」で、スプーンなどを床に落とした音や子どもが走ったときの足音などが、床や外壁などの構造を物理的に直接振動させて発生する。伝わり方では、一般に固体伝搬音のほうが空気伝搬音より減衰しづらく、遠くまで伝わる性質があります。

また、マンションには、建物の躯体に用いられる鉄骨や鉄筋、コンクリートに加えて、内部の柱、梁、給排水の配管、換気扇、エレベーターなど多様なパーツや共用設備があり、それらも音を伝える媒質となり得ます。このことが、上下左右の隣接住戸ではない、意外な音の発生源を生み出す場合もある。

業界への波及効果

マンション騒音トラブルの解決は、管理組合や住戸所有者にとって重要な課題である。鈴木所長は、感情的な直接クレームは避けるべきで、管理組合に相談することが大切であると述べており、科学的エビデンスを収集することが重要である。マンションの建築技術の向上や、住戸所有者の意識の変化などが、騒音トラブルの解決に寄与する可能性がある。

実務者のアクション

実務者は、マンション騒音トラブルの解決に以下のアクションを取ることができる。

* 管理組合に相談し、騒音の発生源を特定する

* 騒音の発生源が隣接した場所だけではなく、意外な場所からも来ることがあるため、科学的エビデンスを収集する

* マンションの建築技術の向上や、住戸所有者の意識の変化などを促進する