背景・経緯
京都市で4月に発生した水道管の漏水事故を受け、国は破損リスクの高い鋳鉄製水道管について、全国的な撤去方針を示した。対象となるのは全国で約1万キロにのぼるとみられる。詳細は共同通信の報道(新しいタブで開きます)で伝えられている。
鋳鉄は鉄を含む合金で、昭和30年代頃まで水道管に広く使われてきた。ただし衝撃に弱く、経年とともに破損しやすくなる性質があり、老朽化した管路での漏水・破裂事故が各地で相次いでいた。
詳細・ポイント
更新のスケジュールは管路の重要度によって分けられている。住民の避難や物資輸送に使われる緊急輸送路の直下にある管路は優先度が最も高く、概ね5年以内をめどに更新・交換が求められる。
浄水場や配水池に直結する基幹管路については、2035年度までに更新を終える計画とされている。緊急輸送路の管路より猶予期間は長いが、いずれも老朽化した鋳鉄管を計画的に置き換えていく方針に変わりはない。
業界への波及効果
水道事業を担う自治体にとっては、更新計画の策定と実際の工事発注が新たな業務として発生する。水道分野は職員数の減少や高齢化が進んでおり、発注体制そのものが十分でない自治体も少なくない。
管路更新の需要が全国的に立ち上がることで、管路工事を手掛ける建設会社や資機材メーカーにとっては受注機会が増える一方、限られた技術者・作業員をどう振り向けるかという配分の課題も生じる。
実務者のアクション
水道事業者はまず、自らが管理する管路のうち鋳鉄製かつ緊急輸送路の直下にあるものを洗い出す作業から始める必要がある。管路台帳の整備状況によっては、この洗い出し自体に時間がかかる自治体もあるとみられる。
施工側の事業者は、更新計画の策定時期に合わせて自治体からの発注時期・工法の見通しを早めに把握しておくことで、技術者の配置計画を立てやすくなる。