背景・経緯
東京科学大学と清水建設は、産学協働の研究拠点「清水建設みらいの建築生産協働研究拠点(新しいタブで開きます)」を開設した。拠点は大学内に新設され、2029年7月31日までの3年間の活動が予定されている。拠点長には東京科学大学の吉敷祥一教授が就いている。
建て替えは資材・労務コストの上昇に加えて工期の長期化という制約を抱えており、既存建物をどう活かすかは業界共通の課題になりつつある。
詳細・ポイント
この拠点が目指すのは、既存の構造体をそのまま再利用しながら、外装リノベーション技術を組み合わせることで、新築にも劣らない構造・環境性能と意匠性を持つ建物に再生する「建設アップサイクル」というモデルの構築である。建て替えとリノベーションの中間に位置する選択肢を技術的に確立しようとする試みといえる。
業界への波及効果
建て替えに代わる選択肢が技術として確立されれば、老朽化した建物を抱えるオーナーにとって、解体・新築以外の意思決定材料が増えることになる。資材高騰や工期逼迫が続く中、既存構造の再利用は今後の設計提案において重要度を増すとみられる。
実務者のアクション
設計者やオーナーは、老朽化した建物の建て替えを検討する際、解体・新築の一択で進める前に、構造再利用とリノベーションを組み合わせた選択肢の可能性を確認する価値がある。拠点の研究成果が公表された段階で、自社案件への適用可能性を検討したい。