背景・経緯
清水建設は、山岳トンネル工事の切羽で行う爆薬装填作業を無人化する遠隔装薬システムを開発した(新しいタブで開きます)。爆薬装填パイプと爆薬圧送ホースの先端を連結・一体化した構造で、実現場への試験適用によって遠隔操作でも手作業と同等の装薬性能が発揮できることを確認したという。
トンネル工事の切羽付近は、掘削直後の岩盤が崩落する「肌落ち」による災害リスクが常につきまとう作業エリアであり、無人化・遠隔化のニーズが高い工程の一つである。
詳細・ポイント
このシステムは、清水建設が開発を進めている装薬専用機「CHARGE MASTER(チャージマスタ)」の核となる技術に位置づけられている。遠隔装薬の手順としては、前工程の穿孔作業で取得した3D位置座標データを利用し、爆薬装填パイプの先端を装薬孔へ誘導・挿入する仕組みだ。
7月には徳島県阿南市の「桑野道路長生・明谷トンネル工事」で試験適用を実施した。重機の2本のブーム先端にシステムを設置し、オペレーター2人がそれぞれのブームを操作して遠隔装薬を行った。
業界への波及効果
発破工程の無人化が進めば、切羽付近での作業員の滞在時間そのものを減らすことができ、トンネル工事における労働災害対策の選択肢が広がる。人手不足が続く中、熟練技能に頼ってきた装薬作業の一部を機械化できる意義は大きい。
実務者のアクション
山岳トンネル工事に携わる施工管理者は、今回のような遠隔化技術の適用範囲や導入コストを注視しておきたい。特に肌落ちリスクの高い地質条件の現場では、試験適用の進捗を踏まえて自社案件への導入可能性を検討する価値がある。