背景・経緯

本件はデジタル行政(新しいタブで開きます)で報じられている。

自治体の現場業務では、道路や公園、施設の維持管理などをめぐって職員や外部業者との情報共有が発生するが、紙の資料や電話・メールでのやり取りに依存し、情報が分散しがちだった。東京都港区は、こうした現場業務のデジタル化に向けて、施工管理アプリとして実績のあるアルダグラムの「KANNA」を5つの地区総合支所で試験的に導入し、運用性を検証した。

詳細・ポイント

実証実験では、KANNAの操作性や機能が自治体の業務に適しているかを確認し、関係者間のコミュニケーションや外部業者との連携、平常時・災害時双方における情報共有の迅速化に効果があることを確認した。ITスキルの水準によらず直感的に操作できる点や、現場写真や資料を煩雑な手続きなしに共有できる点が評価され、2026年4月1日から各地区総合支所での本格運用に移行した。KANNAは国内外90,000社超・100か国以上で導入されている施工管理アプリで、建設業以外の自治体・インフラ管理領域への展開事例として位置づけられる。

業界への波及効果

自治体の公共施設・インフラ管理はこれまで建設業界のDXの外側に置かれがちだったが、施工管理アプリが自治体の現場業務にも横展開されることで、発注者側・管理者側のプロジェクトマネジメント体制がデジタル基盤の上で統一される可能性がある。特に災害時の情報共有基盤としての活用は、平時のインフラ点検データがそのまま緊急時対応にも使える点で、建設・維持管理業界全体のBCP(事業継続計画)の底上げにもつながりうる。

実務者のアクション

自治体や公共インフラの維持管理を担う実務者は、既存の施工管理アプリが庁内業務や外部委託業者との連携にも転用できないか検討する価値がある。建設会社・PM会社にとっても、官公庁向けの現場DX導入事例が増えることで、公共工事における発注者支援・情報共有の標準ツールとしての採用余地が広がる可能性があり、自治体向け導入実績を営業活動に活かせる局面が増えると考えられる。