背景・経緯

EVMのPV・EV・ACという3つの値は、そのままでは状態を語らない。差異と比率に変換して初めて意味を持つ。EVMの解説(新しいタブで開きます)でも、指標の算出がEVM運用の中心として扱われている。

現場報告の「おおむね順調」「やや遅れ気味」といった表現を、比較可能な数値に置き換えることが狙いである。

詳細・ポイント

差異指標はSV(スケジュール差異)= EV − PV、CV(コスト差異)= EV − AC で表す。いずれも負の値であれば計画に対して不利な状態を意味する。

比率指標はSPI(スケジュール効率指数)= EV ÷ PV、CPI(コスト効率指数)= EV ÷ AC である。SPIが1より大きい場合、進捗が予定より速いことを示す。比率で持つと、規模の異なる工事や工区を横並びで比較できる。

業界への波及効果

複数現場を抱える企業にとって、SPI・CPIによる横断比較は経営判断の材料になる。どの現場に応援を回すかという判断が、報告者の表現力ではなく数値に基づく。

ただし建設工事では、季節要因や検査待ちで一時的に指標が悪化することが常にある。単月の値で評価すると、現場が数字を作りにいく副作用が出る。

実務者のアクション

指標は3か月程度の移動平均や推移で見ることを勧めたい。傾向が改善しているか悪化しているかが判断の本体である。

SPIとCPIを組み合わせて読むことも重要である。SPIが高くCPIが低い状態は、コストを投入して工程を維持している状態であり、放置すると赤字で竣工する。