背景・経緯
中規模非住宅建築物の省エネ基準引き上げ(新しいタブで開きます)が2026年4月から施行される。対象は延床面積300㎡以上2,000㎡未満の非住宅建築物で、これまでより高い断熱・省エネ性能が求められることになる。
背景には、2021年10月に閣議決定されたエネルギー基本計画等において、2030年度以降に新築される住宅・建築物についてZEH・ZEB水準の省エネ確保を目指すとされたことがある。今回の基準引き上げは、その目標に向けた段階的な強化の一つに位置づけられる。
詳細・ポイント
ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)は、オフィス・工場・学校などの非住宅建築物において、高断熱・高効率設備・再生可能エネルギーの活用によってエネルギー収支のゼロを目指す考え方である。今回引き上げられる基準は、ZEBそのものの義務化ではなく、その手前の水準を底上げするものと位置づけられる。
義務基準については、遅くとも2030年度までにZEH水準へ引き上げることが政府目標として示されている。段階的な基準強化が今後も続く見通しである。
業界への波及効果
中規模非住宅建築物は、事務所ビルや店舗、小規模な学校施設など対象が幅広い。設計事務所にとっては、これまで大規模建築物中心だった省エネ設計のノウハウを中小規模案件にも展開する必要が生じる。
断熱材や高効率設備の需要が中規模帯にも広がることで、資材・設備メーカー側の対応も求められる。
実務者のアクション
設計者は、対象規模に該当する新規案件について、確認申請時の省エネ基準適合手続きを早めに確認しておきたい。基準引き上げ後の申請では、従来の仕様のままでは適合しないケースが生じ得る。
発注者・事業主は、断熱・設備仕様のグレードアップに伴うコスト増を早期の事業計画段階で織り込んでおくことが望ましい。