背景・経緯

改正建設業法の解説(新しいタブで開きます)によれば、2024年6月に公布された改正建設業法は段階的に施行が進み、2025年12月に全面施行された。2026年はこの改正内容が現場の実務に本格的に反映される年にあたる。

改正の背景には、資材高騰や労務費上昇を請負代金に適切に反映できず、下請の採算が悪化してきた構造がある。

詳細・ポイント

改正の柱の一つが、中央建設業審議会による労務費の基準の作成・勧告である。著しく低い労務費で見積を依頼した発注者は、国土交通大臣が勧告・公表を行うことになった。あわせて、原価割れ契約の禁止が受注者側にも拡大適用され、これまで発注者側に主眼が置かれていた規制の対象が広がっている。

資材価格の変動に伴う請負代金等の変更方法についても、契約書の法定記載事項として明文化された。価格変動が生じた際の対応をあらかじめ契約に盛り込むことが求められる。

業界への波及効果

労務費基準の勧告制度は、発注者・元請・下請の間の価格交渉に一定の基準を持ち込む。これまで交渉力の差で決まりがちだった労務費の水準に、行政が関与する余地ができたことになる。

原価割れ契約の禁止が受注者側にも及ぶことで、過度な安値受注による下請へのしわ寄せを抑える方向に働くと見込まれる。

実務者のアクション

元請企業は、資材価格変動時の契約変更手続きを契約書のひな形に明記し、下請との契約にも同様の条項を反映させる準備を進めたい。

下請企業は、見積提示時に労務費の根拠を示せるよう、原価管理の記録を整えておくことが、基準に基づく交渉の裏付けになる。