背景・経緯
戸田建設は、建物内の不具合情報を一元管理するクラウドシステム「RAKU-PLAT(新しいタブで開きます)」について、有償トライアルによる最終検証を始めた。社内ベンチャープログラムから生まれた取り組みで、2027年度の商用発売を目指している。
施設の維持管理は、担当者の経験や勘に頼る部分が大きく、どこにどれだけの費用と人手をかけるべきかの判断が属人化しやすいという課題があった。RAKU-PLATはこの判断根拠をデータとして残すことを狙いにしている。
詳細・ポイント
RAKU-PLATは、建物を部屋・ゾーン単位で扱う独自の空間BIMを採用し、維持管理情報をドラッグ&ドロップの操作で紐づけて登録できる仕組みを持つ。建物全体を1枚のカルテのように可視化し、不具合の発生箇所と対応にかかるコスト・工数をダッシュボード上で一覧できる。
さらに、蓄積されたデータをもとに会話形式の問い合わせに答えるAI検索機能も実装されており、担当者が個別にデータを掘り起こす手間を減らす設計になっている。
業界への波及効果
維持管理の属人化は戸田建設に限らず建物所有者・管理会社に共通する課題であり、対応履歴とコストがデータとして一元化されれば、複数物件を抱えるオーナーの意思決定にも影響しうる。ゼネコン発のFMツールが商用化されれば、設計・施工から維持管理まで一気通貫でデータを持つ動きが他社にも広がる可能性がある。
実務者のアクション
複数施設を管理するファシリティマネジメント担当者は、有償トライアルの参加条件や商用化後の価格体系について今後の発表を注視したい。既存の維持管理台帳をどう移行するかは、導入検討の初期段階で整理しておく価値がある。