背景・経緯

大林組は、建設現場における熱中症リスクを低減する目的で、猛暑期間の作業時間帯を変更する取り組みを始めたと公式に発表した(新しいタブで開きます)。対象となるのは主に7〜8月で、気温が上がりきる前の時間帯に作業を集中させる。

新しい作業時間帯は午前7時から午後1時までで、気温上昇前に作業を終える形になる。同社は建築・土木工事あわせて年間約600カ所の現場を動かしており、そのうち200カ所以上でこの夏季の時間帯変更を予定しているという。

詳細・ポイント

大林組はこれまでもWBGT値(暑さ指数)に基づく作業管理や休憩時間の確保、仮設空調設備の導入など、熱中症対策を段階的に進めてきた。2025年度からは、現場作業に従事するすべての関係者に対し、ファン付き作業服と、暑熱下でのリスクを検知して知らせるウェアラブルデバイスの着用を必須化している。

今回の作業時間帯変更は、こうした個人装備での対策に加えて、作業スケジュールそのものを前倒しする形の対策となる。

業界への波及効果

大手ゼネコンが作業時間帯そのものを変更する取り組みは、他のゼネコンや協力会社の熱中症対策の水準にも影響を与えうる。夏季の稼働時間が短縮される現場が増えれば、工程計画全体で夏場の生産性低下をあらかじめ織り込む必要が出てくる。

発注者側にとっても、夏季の作業時間短縮を前提とした工期設定が今後より一般的になっていく可能性がある。

実務者のアクション

現場管理者は、夏季の作業時間帯変更を前提に、資機材搬入や協力会社との調整時間を朝方に寄せる段取りを見直す必要がある。

発注者・設計者側も、夏季をまたぐ工事の工程を組む際には、猛暑期の稼働時間短縮を織り込んだ工期設定を検討することが、無理のない工程管理につながる。