背景・経緯
建設工事の価格は、内訳が示されていても実際の原価は分からない。この不透明さが、発注者の不信と価格交渉の膠着を生んできた。オープンブック方式の解説(新しいタブで開きます)によれば、この方式では施工者が発注者に全てのコストに関する情報を開示し、発注者または第三者が監査を行う。
CM方式、特にアットリスク型と組み合わせて用いられることが多い。
詳細・ポイント
開示の対象は広い。CMRと施工者との契約金額が明らかにされること、施工者の領収書が添付され出来高払いによる実際の支払代金が毎月または四半期ごとに明らかになること、共通仮設費や現場管理費についても実費精算がなされること。これらによってコスト構成の透明化が確保される。
実務上の難所は、監査の体制である。開示された膨大な書類を確認する能力が発注者側になければ、透明化は形式に終わる。第三者による監査が併用される理由がここにある。
業界への波及効果
コストが開示されるということは、施工者の利益が可視化されるということでもある。この抵抗感が、普及の最大の障壁になってきた。
一方で、価格の妥当性を説明する必要がある公共発注者にとって、この方式は強力な説明手段になる。監査の結果として支払額が確定するプロセスは、議会や住民への説明に耐える。
実務者のアクション
導入する場合は、開示の頻度と様式を契約時に確定させたい。「必要に応じて開示」では機能しない。
施工者側は、開示に耐える原価管理体制の整備が前提になる。工事ごとに原価が集計できていない状態では、この方式には参加できない。