背景・経緯

CM方式の説明資料は制度の解説から始まることが多いが、発注者が最初に知りたいのは「自分の案件に向くのか」である。日本CM協会が公開しているCM方式導入に向けた資料(新しいタブで開きます)は、導入を検討する側の視点で整理されている。

同協会は、CMという建設生産方式とCMrという職能を確立・普及させる目的で設立された団体であり、認定CM資格(CCMJ)の運営や契約約款の整備も担っている。

詳細・ポイント

検討の入口は2つの軸で考えると整理しやすい。ひとつは発注者側の体制で、技術職員が何人いて、どの判断まで自前でできるか。もうひとつは案件の難易度で、設計条件が確定しているか、関係者が多いか、既存施設を使いながらの工事かといった要素である。

どちらも余裕がある案件では、CMを入れても効果は限定的になる。逆に体制が薄く難易度が高い案件ほど、早い段階からの関与が効く。関与のタイミングが遅れるほどできることは減り、コスト精査と工程管理に限られていく。

業界への波及効果

導入の判断材料が整備されることは、CM市場の健全化につながる。向かない案件に無理に適用すれば「費用に見合わなかった」という評価が残り、方式そのものの評価を下げる。

自治体では「導入に適した案件がない」という理由で未導入のままの団体が多い。判断軸が共有されれば、この認識自体が検証可能になる。

実務者のアクション

発注者は、過去の案件で手戻りが起きた箇所を洗い出すことから始めたい。設計段階の要求整理だったのか、施工段階の変更対応だったのかで、必要な支援は変わる。

委託にあたっては、業務範囲を契約前に文書で確定させること。「総合的な支援」という表現のまま契約すると、期待と成果が必ずずれる。