背景・経緯

国土交通省は多様な入札契約方式の導入・活用(新しいタブで開きます)の一環として、CM(コンストラクション・マネジメント)方式の普及を進めている。CM方式は、発注者の補助者・代行者であるCMR(コンストラクションマネージャー)が、技術的な中立性を保ちながら発注者側に立ち、設計の検討や工事発注方式の検討、工程管理、品質管理、法令遵守などの各種マネジメント業務の全部または一部を担う仕組みである。

地方公共団体では長年の公共事業減少に伴い技術職員が不足し、発注者体制を十分に確保できない自治体が増えている。この課題を受け、令和2年には「地方公共団体におけるピュア型CM方式活用ガイドライン」が策定・公表された。

詳細・ポイント

CM方式には、CMRが発注者の補助者として助言にとどまる「ピュア型」と、工事の発注・契約行為にも関与する「アットリスク型」がある。地方公共団体向けのガイドラインが対象とするのはピュア型で、CMRが契約当事者にならない分、既存の入札契約制度との整合を取りやすい。

発注者側の技術者や発注経験者が不足している自治体にとって、外部から発注者支援を受ける仕組みは、公共工事の品質を確保するための選択肢の一つに位置づけられている。

業界への波及効果

CM方式の活用が広がると、CMRを担う建設コンサルタントやゼネコンの発注者支援業務の受注機会が増える。従来は元請として施工を担ってきた企業にとって、マネジメント業務そのものが新しい事業領域になり得る。

一方で、CMRに求められるのは施工技術だけでなく、発注者の立場での調整力や説明責任である。技術者育成の観点でも、これまでと異なる能力が問われることになる。

実務者のアクション

技術職員が不足する自治体の担当者は、大規模改修や庁舎建て替えなど発注者体制の負荷が大きい事業から、CM方式導入の検討を始めるとよい。全事業を対象にする必要はない。

CM業務への参入を検討する企業は、施工実績だけでなく、発注者側の立場で工程・品質・コストを説明できる人材の育成を優先課題として扱いたい。