背景・経緯
内閣府は2026年6月11日、第22回民間資金等活用事業推進会議で「PPP/PFI推進アクションプラン(令和8年改定版)(新しいタブで開きます)」を決定した。従来のアクションプランはコンセッション方式を含む数値目標の達成を軸に据えてきたが、今回の改定ではコンセッション方式の目標額が引き下げられ、量の追求から実態に合った運用への転換が図られている。
改定は「量的拡大」「対象の拡大」「質の向上」の3つの視点から行われた。地方公共団体のPFI活用は2024年度末時点で件数・実施団体数ともに大きく増えているが、小規模市町村への浸透はなお限定的とされている。
詳細・ポイント
これまでのアクションプランは大都市圏の大型案件を中心にコンセッション方式の件数を伸ばしてきたが、対象となる案件が一巡しつつあり、数値目標の達成そのものが目的化しているという指摘があった。令和8年改定版はこの反省を踏まえ、件数目標より案件の質と、これまで手薄だった中小規模自治体への広がりを重視する内容になっている。
合わせて国土交通省は2026年4月17日から、小規模コンセッション形成を後押しする専門家派遣事業の公募を始めている。数値目標の引き下げと専門家派遣の強化はセットの施策として位置づけられる。
業界への波及効果
コンセッション方式の目標額引き下げは、事業者側から見れば「大型案件の絶対数が伸び悩む」という受け止め方もできる一方、対象の拡大方針は中小自治体発の案件形成という新しい参入機会を意味する。CM・PFIコンサルティングに関わる事業者にとっては、大型コンセッションから小規模・多数案件への軸足の変化として捉える必要がある。
実務者のアクション
自治体向けにPPP/PFI導入支援を行う事業者は、専門家派遣事業の対象になり得る案件の掘り起こしを優先したい。大型案件の実績だけでなく、小規模自治体の個別事情に対応できる提案力が今後の受注を左右する。
発注者側の自治体担当者は、目標額引き下げを「PPP/PFIへの後退」と誤読せず、対象拡大によって自団体の案件も検討対象に入り得ることを踏まえて情報収集を進めるとよい。