背景・経緯
2021年以降のウッドショック・アイアンショックを契機に、建設資材の価格は高い水準で推移している。契約後の価格変動を誰が負担するかという問題は、もはや例外事象ではなく常態となった。
資材高騰時代の建設業法令遵守と請負契約の見直しポイント(新しいタブで開きます)では、法改正を踏まえた契約実務の論点が整理されている。資材高騰等に伴う請負代金等の変更方法が契約上の重要な記載事項として扱われ、変更を一律に認めない契約の妥当性が問われる方向にある。
詳細・ポイント
実務で見直すべきは3点である。第一に、契約書に価格変動時の協議条項があるか。第二に、見積の有効期限が明示されているか。第三に、元請が受けた増額を下請契約へ反映する仕組みがあるか。
特に3点目は見落とされやすい。元請段階で価格変動が調整されても、下請にその配分が及ばなければ、しわ寄せは末端に集中する。
業界への波及効果
価格変動リスクの分担が明確になれば、受注者は不確実性の上乗せを減らせる。結果として見積価格が合理化されるという効果が期待される。
逆に、リスクを一方的に押し付ける契約が残る限り、受注者は応札を回避するか、リスク分を価格に織り込む。発注者にとっても不利益になる構造である。
実務者のアクション
受注側は、契約前に価格変動条項の有無を必ず確認したい。契約後の交渉は、条項がなければ相手方の善意に依存することになる。
発注側は、変更の要否を判断する客観的な指標(物価指数など)を条項に組み込むことを検討したい。裁量に委ねると、交渉そのものが紛争化しやすい。