背景・経緯

建設資材や労務費の高騰が続き、コスト管理のあり方が改めて問われている。現場メディアの報道(新しいタブで開きます)によると、2026年3月に適用された公共工事設計労務単価は全国全職種平均で前年度比4.5%上昇し、2013年度の改定以降14年連続の引き上げとなった。

現在の建築費高騰は、資材そのものの価格上昇だけでなく、資材を運ぶ人材や現場で施工する人材の確保にかかるコストの上昇も根底にあり、短期的な解消は難しいとされている。

詳細・ポイント

こうした状況を受け、ゼネコン各社には資材価格や労務費の変動リスクに備えた契約上の対応が求められている。具体的な対策としては、設計・施工段階での工法見直しに加え、資材価格や労務費が変動した場合に請負代金を調整するスライド条項をあらかじめ契約に盛り込む手法が挙げられている。

改正建設業法の施行を踏まえたスライド運用や、協力会社との間のリスク分担の見直しも、今後のコスト管理における実務上の論点になっている。

業界への波及効果

労務単価の上昇が14年連続となっている状況は、短期的な変動ではなく構造的なトレンドであることを示している。受注時点の見積りと竣工時のコストが乖離するリスクが常態化する中、スライド条項を適切に運用できるかどうかが、元請けだけでなく協力会社を含めたプロジェクト全体の採算に直結する。

価格転嫁を前提とした契約慣行への移行が進むかどうかは、発注者側の理解にも左右されるため、業界全体でのコスト管理の考え方の見直しが求められている。

実務者のアクション

プロジェクトマネジメントを担う立場では、契約段階でスライド条項の適用条件を具体的に取り決め、資材価格・労務費の変動を定期的にモニタリングする体制を整えておくことが重要になる。

協力会社との取引においても、価格転嫁のルールをあらかじめ明確にしておくことで、下請け段階でのしわ寄せを防ぎ、プロジェクト全体のリスクを分散させることができる。