背景・経緯
CM方式を導入した結果、いくらコストが下がったのか。この問いは単純に見えて、答えるのが難しい。CM方式を使わなかった場合の金額が存在しないためである。CM方式導入におけるコスト縮減とインセンティブ付与に関する研究(新しいタブで開きます)は、この論点を扱っている。
効果が示せなければ、委託費の妥当性を説明できない。特に公共発注者にとっては、この説明責任が導入の障壁になる。
詳細・ポイント
一つの考え方が、当初の予算額や概算額を基準として、最終的な契約額との差を縮減額とみなす方法である。ただしこの方法では、単に当初見積が過大だった場合も「効果」に計上されてしまう。
インセンティブ付与は、縮減額の一部をCMRの報酬に反映させる仕組みである。CMRにコスト縮減の動機を持たせる一方、品質の切り下げによる縮減を防ぐ設計が必要になる。
業界への波及効果
効果測定の枠組みが確立していないことは、CM市場の価格形成にも影響する。成果ではなく投入工数で価格が決まる構造が続いている。
一方、コスト以外の効果(工期短縮、発注者の負担軽減、品質確保)をどう評価するかも、同じく未整理の領域である。
実務者のアクション
発注者は、委託契約時に「何をもって効果とするか」を定義しておきたい。事後に定義すると、双方に都合のよい解釈が対立する。
インセンティブを設ける場合は、品質に関する下限条件を必ずセットにすべきである。縮減のみを評価すると、仕様の切り下げを招く。