背景・経緯

国土交通省は、建設現場の技能労働者の過不足状況を毎月調査する建設労働需給調査(新しいタブで開きます)の令和8年7月分調査結果を公表した。調査は7月10日から20日にかけて実施されている。

対象となる8職種計の過不足率は、7月時点で1.2%の不足となった。6月の1.0%不足から不足幅がわずかに拡大した形だが、前年同月の1.6%不足と比べると縮小している。

詳細・ポイント

不足率が前月から拡大した背景には、季節的な工事量の変動や、猛暑期における作業時間の見直しなど複数の要因が絡んでいるとみられる。ただし前年同月との比較では不足幅が縮んでおり、単月の増減だけで需給がひっ迫方向に転じたと判断するのは早計である。

国土交通省は同時に、9月・10月にかけての労働者確保の見通しについても調査しており、対象8職種すべてで「平常」という評価が示された。目先の受注量に対しては、大きな人手不足懸念は出ていないことになる。

業界への波及効果

不足率が低水準で推移していること自体は、工程計画を立てる発注者・元請にとって歩掛りの前提を大きく崩さない材料となる。ただし0.2ポイントの拡大という変化自体は、繁忙期に入れば局所的な人繰りの難しさが顕在化しうることを示している。

専門工事業者にとっては、平常運転が続く間に技能労働者の確保・育成を進めておくことが、繁忙期のひっ迫を避ける備えになる。

実務者のアクション

工程管理を担う立場としては、月次の需給調査の推移を継続的に追い、不足率が拡大傾向に転じた職種があれば、該当工種の着工時期を前倒しできないか検討したい。

発注者側も、9〜10月の見通しが「平常」である間に入札・契約手続きを進めることで、労働者確保の観点からは比較的動きやすい時期を活用できる。