背景・経緯

国土交通省のCM方式活用ガイドラインのページ(新しいタブで開きます)には、CM方式に関する一連の資料が集約されている。中心となるのは、CMRが担う業務の範囲と、その段階ごとの整理である。

CM方式が「何をしてくれるのか分かりにくい」と言われる原因は、業務範囲が案件ごとに異なることにある。だからこそ、参照できる標準的な整理が必要になる。

詳細・ポイント

設計段階の業務は、設計内容の妥当性確認、コストの検証、VE提案の検討が中心となる。発注段階では、発注区分や契約方式の検討、見積内容の精査、入札・見積の支援を行う。施工段階では、工程管理、コスト管理、品質確認の補助が主となる。

効果の大きさは、関与の早さにほぼ比例する。設計が固まってから参画したCMRができるのは、コストの精査と工程の管理に限られ、設計そのものの最適化には手が届かない。

業界への波及効果

この整理があることで、発注者はCM業務を「フルセット」ではなく必要な段階だけ切り出して委託できるようになった。予算制約のある案件でも導入余地が生まれる。

同時に、部分的な委託では効果が限定的になるという構造も明らかになった。安価な部分委託が、CM方式そのものの評価を下げる例も指摘されている。

実務者のアクション

発注者は、委託仕様書でこの3段階のどこを委託するかを明示したい。曖昧なまま「マネジメント業務一式」とすると、期待と成果の乖離が生じる。

CMRを目指す側は、自社が最も価値を出せる段階を明確にすることが差別化になる。全段階を等しく提供できる組織は多くない。