背景・経緯

文部科学省の公立学校施設の老朽化対策の推進(新しいタブで開きます)によれば、公共施設の約4割を占める学校施設は、建築後25年以上を経過し改修を要する建物の面積が全体の約7割を占めるなど、老朽化が深刻な状況にある。

インフラ長寿命化基本計画のもと、各地方公共団体は公共施設等総合管理計画を平成28年度までに、個別施設ごとの長寿命化計画を令和2年度までに策定することとされた。

詳細・ポイント

計画は多くの団体で策定済みである。問題は次の段階にある。長寿命化改修は新築より技術的な難易度が高い。既存躯体の状態調査、建物を使いながらの施工、法適合の確認といった論点が重なる。

さらに、学校の場合は授業を継続しながらの工事となることが多く、工程計画そのものが専門的な検討を要する。計画に書かれた事業費と実際の工事費が乖離する例も少なくない。

業界への波及効果

長寿命化改修の需要は今後さらに増える。新築が中心だった設計・施工の体制を、改修に対応できる形へ転換できるかが、事業者にとっての課題になる。

自治体側では、改修事業を担える技術職員の不足がそのまま事業の停滞につながっている。外部支援の需要はここに集中する。

実務者のアクション

自治体担当者は、計画に記載した概算事業費を最新の単価で再検証することを勧めたい。策定時点の単価では、現在の入札に届かない可能性が高い。

改修設計に入る前の既存調査へ十分な費用と期間を割くことも重要である。調査不足は、着工後の設計変更として必ず跳ね返る。